院長あいさつ

藤井 健一郎 

 本年4月1日付けで阿部 功前院長(現,名誉院長)の後任として,門司掖済会病院の院長に就任いたしました.
 掖済(エキサイ)という言葉は聞き慣れないと思いますが,「掖」は脇,「済」は助けるという意味で「脇に手を添えて助ける」という意味があります.日本海員掖済会は,今から140年近く前の1880(明治13)年,当時厳しく劣悪であった船員の職場環境,生活習慣を是正する目的で発足しました.医療も当初は船員とその家族を対象としておりましたが,現在は一般市民も変わりなく診療を行っております.門司掖済会病院も創設110年余,現在地の清滝に来てもうすぐ100年を迎えようとしております.
 当院は透析を含めた腎疾患の評価や治療,消化器疾患,外科を中心とした癌治療,糖尿病や高血圧症など生活習慣病対応などが診療の中心です.耳鼻咽喉科,婦人科,皮膚科,歯科・口腔外科も常勤医による対応が可能です.高齢者が多い地域ですが,眼科,整形外科,泌尿器科は数年前より非常勤医師のみとなり,近隣の住民や医療機関の皆さまには多大なご不便をおかけしております.引き続き常勤医師の確保には努力してまいります.
 65歳以上の高齢化率は2018年半ばで門司区で36.3 %, 門司港地区ではなんと38.6 %です.これは日本全体の予測では2040年頃のほぼピークの値に相当し,その後は人口減少が加速すると推測されます.このような状況では,病院は病を治すのはもちろんですが,一人一人の皆様が出来るだけ長くご自宅など住み慣れた地域で,豊かで意義のある時間を過ごしていただくことにつながるような医療を行って行く必要があると強く感じております.このために,当院は,急性期医療だけではなく,地域包括ケア病棟を活用して,さらにかかりつけの先生方や地域の医療・介護施設との連携を深めて,医療・介護・住まい・生活支援を一体的に提供できましたらと考えております.
 地域の住民や医療機関の皆様の信頼を深められますよう,職員一同掖済とおもてなしの精神で頑張っていきたいと考えております.どうぞ宜しくお願い上げます.